リベイクで化ける焼き菓子 — オーブン/トースターの分数表
パサついた…と思った焼き菓子が、温度と分数だけで“香りと食感”を取り戻す。リベイクは油脂をもう一度溶かし、香り分子を立ち上げる作業。ここでは家庭のトースター/オーブンで再現できる目安の温度と分数、そして失敗しないコツをまとめました。
まずはチートシート(厚み普通の個包装サイズ)
機種差が大きいので初回は短め→様子見で。色づきよりも「香りが立つ」「表面がサラッとする」を合図に。
| 菓子 | 目指す食感 | トースター | オーブン | コツ |
|---|---|---|---|---|
| クッキー / サブレ | カリッと | 弱〜中 1〜2分 + 余熱2分 | 160–170℃ 3〜5分 | 天板ごと余熱。冷めてから固さMAX |
| ラングドシャ | 軽いサクサク | 弱 50秒〜1.5分 | 150℃ 2〜4分 | すぐ色づく。ノールック厳禁 |
| フィナンシェ / マドレーヌ | 外サク・中しっとり | 中 1〜2分(上にホイル) | 160–170℃ 3〜5分 | 温め後2分休ませると油脂が回る |
| パウンド / カステラ | しっとり復活 | 弱 1〜2分(軽くホイル) | 150–160℃ 4〜6分 | 乾燥注意。厚切りは+1分 |
| タルト / タルトレット | 台サクッと | 中 2〜3分 | 170–180℃ 4〜6分 | クリーム載せは低温短時間 |
| パイ / ミルフィーユ | ハラッと | 中 2〜4分(端にホイル) | 180–200℃ 6〜10分 | バターが再層化するまで我慢 |
| カヌレ | 外カリ・中ムチ | 中〜強 3〜5分 | 200–220℃ 5〜8分 | 底が焦げやすい→下だけホイル |
| バウムクーヘン | しっとり + 香りUP | 弱 1〜2分 | 140–150℃ 4〜6分 | アイシングは溶けやすいので短時間 |
| ラスク | カリカリ | 弱〜中 1〜2分 | 150–160℃ 3〜5分 | 砂糖が焦げる直前で止める |
| ドーナツ(砂糖がけ) | ふんわり | 弱 1分前後 | 150℃ 3〜4分 | 砂糖が溶ける前に撤収 |
※ 厚み大きめは+1〜3分、冷凍品は解凍→同時間が基本。機種や個体差で前後します。
なぜ“温め直し”で美味しくなるの?
- 油脂の再融解:バターや油が固まると風味が眠る。溶け始め=香りが立つ瞬間。
- 水分の再配分:中心→表面へ少しだけ動くことで、外サク・中しっとりに。
- デンプンの再糊化:焼き直しで“さく感”が一時的に復活。ただし加熱しすぎ=乾燥。
失敗しない5つのコツ
- 短時間×様子見:最初は最短設定→香り・手触りで判断。
- ホイル活用:焦げやすい表面(砂糖がけ/端っこ)は上だけホイル。
- “休ませ”の時間:温め直し後2分置くと油脂が回ってしっとり。
- 水分の足し算(必要なときだけ):パウンド等はごく軽くラップ or 霧吹き1プッシュ→オーブン低温へ。
- 冷凍品は段取り勝負:常温で急解凍せず「冷蔵でゆっくり」→仕上げに短時間リベイク。
よくある質問
電子レンジだけでもOK?
温めるだけならOK。ただし表面がしんなりしやすいのでレンジ10秒 → トースター仕上げ1分が無難。
日持ちが短い生菓子は?
ムース・生クリーム系はリベイク不可。台(タルトやパイ)だけ低温短時間で。
香りを強く出したい
焼く直前に温めた天板へ載せるか、オーブン170℃スタートで短時間勝負。

